糸・布・針を読む

自分は縫わないけど、縫ったり織ったりすることを考える・・・読書や調査の記録(基本は自分の勉強メモ)

民俗学者の田中忠三郎氏死去

先日、青森の国際芸術センターでたくさんのこぎんを拝見したばかりだが、青森の民俗資料を収集し続け、今に貴重なコレクションを残してきた田中忠三郎氏の訃報が報じられた。とても残念である。

非常にいい状態で大切に残された布たちは「ボロ」(BORO)という形で浅草のアミューズ・ミュージアムで見ることができる。そこへ行ったことは、布とは本来どういうものだったのか、暮らしの中でどんな意味を持ってきたのかを、真摯に考える機会になった。ご冥福を祈りたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本県の農村、漁村に残る「ぼろ」と呼ばれる古い衣類や寝具をはじめ、民具の研究・収集で知られる青森市の民俗学者・田中忠三郎(たなか・ちゅうざぶろう)氏が5日午後0時55分、喉頭がんのため、同市内の病院で死去した。79歳。  

 自宅は同市筒井八ツ橋203の2。通夜は10日午後6時から、葬式は11日午前11時から、共に同市堤町2丁目4の1、平安閣アネックスで。喪主は妻智子(さとこ)さん。

 1933(昭和8)年、川内町(現むつ市)出身。40年以上にわたり、江戸時代から現代までの民俗・民具の研究を行い、衣装や生活用具を数多く収集、保存した。コレクションのうち786点が国の重要有形民俗文化財、520点が県の有形民俗文化財に指定された。特に麻布などをつぎはぎして衣類に仕立てた「ぼろ」のコレクションは、国内のみならず海外からも注目を集めた。

 青森市の歴史民俗展示館「稽古館」館長を務めたほか、2009年には、大手芸能プロダクション「アミューズ」が東京に開設した「アミューズ ミュージアム」の名誉館長に就任した。

 83年、紺綬褒章
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2013/20130306084212.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f