糸・布・針を読む

自分は縫わないけど、縫ったり織ったりすることを考える・・・読書や調査の記録(基本は自分の勉強メモ)

『繕い裁つ人』

池辺葵の『繕い裁つ人』。今のところ3巻まで刊行。

繕い裁つ人(1) (KCデラックス)

繕い裁つ人(1) (KCデラックス)

このマンガ、裁縫好きな人は絶対好きだと思う。以下、本の帯から。

「どこか懐かしい街並みに響くミシンの音。

ここは、祖母の志を受け継いだ二代目、南市江が営む「南洋裁店」。

着る人がお墓まで持っていける服作りを信条とする市江と、

この店を訪れる客たちとの、優しい優しい物語。」

 

ここに書かれているほど甘〜い物語でもなくて、淡々としているけれど服や布が喜びも悲しみも、また憎しみも感じさせられる人間の身体的な感覚に結びついていることを、うまく描いていると思う。

時代も空間もいまひとつわからないけれど、どこか時空を超えた知らない世界のような、どこか懐かしいような描写が秀逸なマンガ。