糸・布・針を読む

自分は縫わないけど、縫ったり織ったりすることを考える・・・読書や調査の記録(基本は自分の勉強メモ)

アイヌ民族の少女の躾・・・

小川早苗『アイヌ民族もんよう集』に次のような文章が出てくる。千歳地方で語られているユカラの一節だということ。母親の子育て(縫い物のさせ方)らしい。

アイヌ民族もんよう集―刺しゅうの刺し方・裁ち方の世界

アイヌ民族もんよう集―刺しゅうの刺し方・裁ち方の世界

「私の奥さんは・・・

子どもを身ごもって・・・

お腹が大きくなりました・・・

ある年子どもを産んで・・・

私の半分がさかれたみたいになり・・・

男の子を産んだので・・・

私たちは一生懸命かわいがっていました・・・

それから男の子も産み女の子も妻が産んだので・・・

少し大きくなった者へは妻がいろいろな絹の布を・・・

そばに置き 縫わせると 糸のしごき方がわからないのでみんなしわにして・・・

妻はそれを見ると 有難や(ヒーオイオイ)と応え

彼女たちが母親に 縫った物を 見せると

上手 上手(アシカイ、アシカイ)。いつもアシカイ アシカイと

いって娘たちを育てました。」(p.50)

 

重点が置かれているのは、文脈的には後半で、娘の手仕事がうまくなくても褒めて育てていくというニュアンスなのだと思う。

だけど・・・前半の「私の半分がさかれたみたいになり・・・」で、結構思考停止してしまう。

ところで、男の子はどうやって育てたのか、続くのだろうか・・・。