糸・布・針を読む

自分は縫わないけど、縫ったり織ったりすることを考える・・・読書や調査の記録(基本は自分の勉強メモ)

美術

「女性とデザイン」

1881年、美術理論家のルイス・F・デイは次のように述べている。 「現代の差し迫った問題の一つは、貧しい女性はどのように生計を立てるのかということである。(中略)美術関係の仕事、特に装飾芸術は彼女たちに開かれていると多くの人々は思っている。」 ノ…

「その裁縫の針は奴隷主たちの良心をちくりと突き刺すだろう」

すっかりこのブログからご無沙汰していたのは、私の仕事の仕方が集中的に読書をする時期とフィールドに出る時期があって、ここしばらく読書する余裕がなかったため。久々にこちらを更新。 さて、タイトルにある「その裁縫の針は奴隷主たちの良心をちくりと突…

ヴェルディエの「裁縫女」―学校の裁縫教育

(つづき) 牧場での編物と並行して、ミノの学校教育の中で、少女たちは裁縫を習った(というが、こりゃ徹底した手仕事教育だ・・・と私はだんだん嫌な気分になっている)。 19世紀末から20世紀初頭の教育学者たちは「裁縫の授業は、女子教育、あらゆる女子…

ヴェルディエの「裁縫女」―編物と牧場

(・・・つづき) ミノという地域では男女共に学校より牧場へ行くことが、子どもたちにとって重要かつ教育的だったという。大人になっても、ずっとこの土地で生きていく者にとって、学校とは読み・書きを教えてくれれば良い場であって、それ以上の知恵は牧場…

信玄袋

手芸の話から少しそれるかもしれないけれど、『明治文化史』でちょっと気になったのが、「信玄袋」の話題。 明治文化史〈第13巻〉風俗 (1979年)作者: 開国百年記念文化事業会出版社/メーカー: 原書房発売日: 1979/04メディア: ?この商品を含むブログを見る …